フィギュアスケート

濱田美栄先生の記事を読んで

清流

 

先日、産経新聞の濱田美栄先生のインタビューの連載を読みました。
(記事は、インターネットでも「産経新聞 濱田美栄」で検索できると思います。)

その中で一番強く印象に残ったのは、出産の3か月後にあった全日本選手権にコーチとして行き、そこで授乳もした、ということでした。
これが、どんなに大変なことだったのか。
想像しただけで、「濱田先生、頭が下がります」という思いでいっぱいになりました。

3か月後ってことは子どもは月齢2か月で、授乳は3-4時間に1回で、それをしないと、子どもも親も体調崩れちゃう、ってことですよね。
授乳ってことは、子どもも会場に来ているはずなので、子の世話をしてくれる人も必要だし、2か月の子どもっていったらふにゃふにゃで頼りなくて様子だって気になるだろうし、しかも、1994年のこととのことで、今以上にタフな状況だったんじゃないかなと思います。

今年2月のアジア大会から私も現場復帰したのですが、授乳の必要な赤ちゃんのいる通訳さんがいて、「赤ちゃんも一緒に札幌に来て、数時間に1回授乳しているんですよ」と言っていました。
「そしたら、「授乳室が必要ですね、と(設営のおじ様たちが)コーナーを作ってくれたんです」と。
とてもじんわりしたのを覚えています。

私の場合は、子どもを自宅に置いて身ひとつで札幌に行ったんですけど、そうなると今度は、搾乳の時間と場所の確保が重要でした。
毎夜寝る前には、翌日の予定をじっくり見て、「こことこことこことここで搾乳だ」と、分刻みのスケジュールメモを作って、そのメモと電動搾乳機を毎日大事に持ち歩いて過ごしていました。
搾乳、怠ると大変なことになるし。

世界選手権の時には、カーテンの陰で搾乳しているときに、インタビュー予定のジマーマンとフォンタナが来てしまって(待ち合わせの時間に指定場所で会えなかったので、インタビューできなかったんだな、と搾乳時間がやってきたので搾乳に向かいました)、「ちょっと待っててね」となったり(笑)。
そしたら、お二人には当時8か月の赤ちゃんがいたので、「子どもは誰に預けてるの? お母さん? うちと同じね」みたいな話になりました。

ってなんだか生々しい感じになっちゃいましたが、さまざまなエピソードのあったインタビューでしたが、「全日本の会場で授乳もしました。」の1文が一番、濱田先生という方のスケートや教え子への情熱を伝えていたと、感じました。
何気ない1文だけど、そこには、ものすごいものが表現されているように思います。

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【明日です!!】
◆大阪、京都/NHK文化センター梅田教室、京都教室
●梅田教室
7月22日(土)14:00-15:30
「もっと知りたいフィギュアスケート
~真央さんの軌跡と4回転新時代~」
前半は、4月に引退を発表した浅田真央さんについてお話します。
ジュニア時代の天真爛漫な姿から、シニアに上がって様々な目標を掲げ、それらを1つ1つクリアしていった様子、2度のオリンピック、そして引退・・・と、彼女がフィギュアスケートを通して見せてきたものについて振り返ります。
後半では、多種類多数回の4回転を多くの選手が跳んでいる男子シングルの「4回転新時代」について、取材現場でのエピソードを交えてお話します。
フィギュアスケートを長く取材してきたライターならではの話を聞ける1日限りの人気講座です。

●京都教室(キャンセル待ち登録になります)
7月22日(土)18:00-19:30
「フィギュアスケートの世界
~日本フィギュアの、この10年の軌跡と展望~」
日本国内で急激に人気スポーツになった、この10年ほどのフィギュアスケートについて振り返ります。
この10年ほどずっとトップで走り続けてきた浅田真央さんの軌跡を追いつつ、2006年トリノ五輪金メダリストの荒川静香さんや2010年バンクーバー五輪銅メダリストの髙橋大輔さん、2014年ソチ五輪金メダリストの羽生結弦さんなどを中心に、日本選手たちの軌跡を追います。
また、7か月後に迫った平昌五輪にむけた現役選手たちのお話もお伝えします。

◆名古屋/栄中日文化センター
●9月9日(土)13:00-14:30
「五輪シーズンというもの」
平昌五輪シーズンがまもなく本格的に始まります。
男子シングルを中心に、これまでの五輪シーズンに関して、前季の世界選手権からグランプリシリーズ、四大陸選手権など五輪直前の大会までの動向を振り返ることで、五輪シーズンというものに特有の傾向を探ります。
そして今シーズンのこれから想像される動向や選手たちの思いなど、今季のスケート界の行方を推察します。

◆東京/朝日カルチャーセンター新宿教室
●9月2日(土)13:00-14:30
「フィギュアスケートの楽しみ方②
~ロミオとジュリエット~」
チャイコフスキー、ニーノ・ロータ、プロコフィエフ、バズ・ラーマン版と、フィギュアスケートで使われる「ロミオとジュリエット」の曲は様々あります。それらを比較しながら、表現の違いや深みをじっくりと味わいます。

●9月30日(土)13:00-14:30
「フィギュアスケートの楽しみ方③
~五輪シーズンとは~」
平昌五輪シーズンが本格的に始まる前に、おもに男子シングルのこれまでの五輪シーズンを振り返ることで、「五輪シーズン」というものがどんな様相を見せてきたのか振り返ります。そして、これから数か月のスケート界に思いを馳せます。

ABOUT ME
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ライター 長谷川仁美です。 フィギュアスケートのこと、そのほかに日々のことなどを。 「やっぱり、フィギュアスケートっていいな」「やっぱり日常っていいな」という思いで、このサイトを続けています。