フィギュアスケート

ザ・アイス ひとりごと備忘録

ザアイス大阪公演、行って来ました。
そうか、もう11回目なんですね。
ザアイスが始まった頃はまだ、野辺山の合宿後のエキシビションもあった時代で、だいたい7月の最終週の土曜日で重なっていたような、土曜が野辺山で日曜に名古屋だったような、そんな感じだったのを思い出しました。

 

蝉の鳴き声がそれはそれは美しく聞こえる、夏のここ!

 

今年は、真央ちゃんが引退して初めてのザアイス。
彼女の現役時代のあれこれをさまざまに散りばめた、とてもあたたかなショーでした。
現役時代のあれこれをさまさま、だったので、とにかく、懐かしい、懐かしい、あああ、あの時はこうだっなあと、ノスタルジーモードになりつつ見ました。

最初の、そして結構大きめの「懐かしい」は、ショーが始まる前、演目リストで、小塚くんの曲名を見た時でした。

「Save the last dance for me」

あああ、懐かしすぎる。
2008-09シーズンのエキシビです。

小塚くんが、「世界選手権の目標は?」と聞かれて、「3枠です」を繰り返していた、あの頃のプログラムです。
特にあの頃、小塚くん、他の選手のステップとか真似していたなあ、そうだ、真央ちゃんの2007-08シーズンのショート(「ヴァイオリンと管弦楽のためのファンタジア」)のステップを「鳥になります!」と言ってやっていたなあ、それからそれから ……と、「Save the last dance for me」の 1 行だけで懐古モードになっていました。

その「Save the last dance for me」ですが、実際に始まると、やっぱり、あああ懐かしい。
サーキュラーっぽいステップ、こんなに音をものすごくつかんでいたっけ?っていうか、あれから10年くらいの月日が経過してうまくなったってことですね、うちに帰ったらあの頃の演技を見返そう、おお、このジャンプは、たしか左回り+右回りのコンビネーションだったよね、ああ、ちょっと残念! でもいやいや覚えてる覚えてる、懐かしい……

次の未来ちゃん。
ああ未来ちゃんといえば、ザアイスの1年目か2年目に来ることになって、どうしても長洲未来というスケーターを生で見たくて、何公演かチケットを取ったよなあ ……
と思っていたら、いきなり強いライトがリンクを明るく照らしたと思ったら、トリプルアクセル!
おおお、びっくりした!
真央ちゃんのショーでトリプルアクセルって、また、いいじゃないですか!

パン&トンが出てくれるのは嬉しいが、パンさんご出産から間もないですよね、いやでも嬉しい、曲は、ああ、「Moon River 」ね……と、しっとりと河面を滑るかのような2人のスケートにうっとりしつつ、「 Sex and the City」を思い出していました。

余談ですが、「Moon River」と「The Way We Were (追憶)」を聞くと、自動的に「Sex and the City」というドラマを思い出します。どちらの曲も、このドラマのとても印象的な場面で使われているので、もう、聞くだけでぐっときてしまいます。

それからそれから、第1部の後半、スペシャルコラボでの真央ちゃんの使用曲を使った一連のプログラムは、様々な懐かしさに満ち満ちていました。
もちろん、根底を流れるのは、曲を聞いただけで思い出せる、真央ちゃんのあの頃、の数々。

やけに背の高い人たちが出てきたなあと思ったら、竹馬スケート(たまにディズニーオンアイスとかで見るけれど、こういうアイスショーでは珍しい出演者で、よかったです)のお姉さんたちで、そこに「Over the rainbow」がかかると、なんというか、懐かしさに息が苦しくなりました。

真央ちゃんがこの曲を滑っていた頃、この歌詞(Somewhere over the rainbow Skies are blue, And the dreams that you dare to dream Really do come true. )と真央ちゃんが重なって見えていたことを思い出し、望んでいた夢は叶ったのかな、とか思ったので。

織田くんの「smile」も、今日の私には特にしみじみと感じられました。
というのは、先日織田くんに聞いたお話(9月に発売予定の『フィギュアスケートLife 』Vol.11に掲載予定)がダイレクトに響いてきたからです。お話を聞く前の準備段階から今もなお、私の中で織田くんがとても旬! たまりませんでした!

「ヴァイオリンと管弦楽のためのファンタジア」でぜひ、「鳥になる」小塚くんのステップを!と思っていたのですが、まさか「鐘」で小塚くんステップが見られるとは思っていなかったので、心の中で「わーお!」とシャウト! 完コピ、素晴らしかったです!

少し飛ばしてしまいましたが、その「鐘」、小塚くんの前に滑ったジェフの、あの衣装もとてもとても懐かしく、もう本当に、「懐かしい」としか言えない人のようになってしまいました。

そうだ、ジェフのラフマニノフ(「前衛曲嬰ハ短調」)も素敵だったよなあ、それにジェフというかジェフ作のラフマニノフといえば、パトリックの「エレジー」、あれも素晴らしいプログラムだったなあ、ああ、今回の真央ちゃんの新しいプログラム、ひとつは「エレジー」だったよね、どんな感じなんだろう、そうだパトリックの「エレジー」は五輪シーズンのプログラムだった、今回のパトリックもまた素晴らしそうなプログラムよね ……と、イマジネーションはとどまるところをしりません。

パン&トンの「愛の夢」も懐かしいな、そういえば、チェンジャン・リーがあるとき突然「愛の夢」を滑ったんだった、選曲には驚いたけど素敵チェンジャンだったなあ、クーリックのもよかったし、もちろん真央ちゃんの「愛の夢」、それもとくに 2011年全日本のは忘れがたい……

と思っていたら、おおお、懐かしのラフマニノフのひらひら衣装の髙橋くん。あのシーズン。あのシーズン、トリノ五輪をかけた女子の戦いがすごかったと思い出されることが多いけど、男子の戦いもすごかった。その、象徴のようなプログラムと衣装。

そしてそして、リチュアルダンス(赤)の真央ちゃん本人の登場! そう、このプログラムは、ジャンプ以外の部分の真央ちゃんの身体の使い方、動き、視線、その他何もかもが統合されてとても美しいので、こういう形で見たかった。というものを見せてもらえて、本当に嬉しい!

と、心の中で激しく興奮していた第1部でした。

フィナーレのダンスが、真央ちゃんの振りから出来ていたの、とてもよかったです。例年よりずっと覚えやすかった。最後の「ソチッ」、いいね!

第2部の、黒竜江省雑技団の数々の技に、見たことのないものを見せてもらった感覚にドキつきました。氷艶の時と同じような、スケートなのに見たことのないもの、でした。

再び織田くんの、今度は真剣に素晴らしい4回転も2つのトリプルアクセルも入れた「トリスタンとイゾルデ」には、ただただ驚愕。

明子ちゃんの「リベルタンゴ」を見るといつも思い出すのは、ドリームオンアイスだったかな、多分新横浜で見た「リベルタンゴ」です。プログラム途中で、観客の方を向いてきびっとした動きを見せるところ、あれを見たときに、ああ明子ちゃんが本当に戻ってきたなあ、って思ったことです。プログラムだけでなく、そう思ったことも懐かしく感じられました。

髙橋くんの「キャラバン」は、小粋で軽やかでとてもよく動いていておしゃれ。でも何か確かな重みがあって、気づいたら、じーっと見ていました。

無良くんと宮原さんは、新ショートプログラムですよね。
宇野くんのフリーは、後半に4回転3つで、トリプルアクセル 3つ(!)で、いやいやびっくり。

真央ちゃんの2曲目の途中、お世話になった人たちの写真が出てきたところ、そしてそこからの穏やかな表情の演技、これは、ここまでの流れとは違って、とてもあたたかなものでした。
こういうものを見られて、よかった。

フィナーレの「蝶々夫人」の、白スーツのジェフも、忘れられません。

もうなにがなんだか、のひとりごとレポート、というか、ひとりごと備忘録でした。
ものすごくざっくりで失礼しました!

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◆名古屋/栄中日文化センター
●9月9日(土)13:00-14:30
「五輪シーズンというもの」
平昌五輪シーズンがまもなく本格的に始まります。
男子シングルを中心に、これまでの五輪シーズンに関して、前季の世界選手権からグランプリシリーズ、四大陸選手権など五輪直前の大会までの動向を振り返ることで、五輪シーズンというものに特有の傾向を探ります。
そして今シーズンのこれから想像される動向や選手たちの思いなど、今季のスケート界の行方を推察します。

◆東京/朝日カルチャーセンター新宿教室
●9月2日(土)13:00-14:30
「フィギュアスケートの楽しみ方②
~ロミオとジュリエット~」
チャイコフスキー、ニーノ・ロータ、プロコフィエフ、バズ・ラーマン版と、フィギュアスケートで使われる「ロミオとジュリエット」の曲は様々あります。それらを比較しながら、表現の違いや深みをじっくりと味わいます。

●9月30日(土)13:00-14:30
「フィギュアスケートの楽しみ方③
~五輪シーズンとは~」

平昌五輪シーズンが本格的に始まる前に、おもに男子シングルのこれまでの五輪シーズンを振り返ることで、「五輪シーズン」というものがどんな様相を見せてきたのか振り返ります。そして、これから数か月のスケート界に思いを馳せます。

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ABOUT ME
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ライター 長谷川仁美です。 フィギュアスケートのこと、そのほかに日々のことなどを。 「やっぱり、フィギュアスケートっていいな」「やっぱり日常っていいな」という思いで、このサイトを続けています。