こども

子どもはお留守番、で、平昌五輪に来ていることについて。

1歳児を日本に置いてこちらに来ています。

毎日のようにどこかで会うパン&トンも、「中国に子どもは置いてきたんだよ、寂しいよね」って言っていたし、今日見かけたヴォロソジャール&トランコフもきっと子連れじゃないんじゃないかな、と思います。
メディアの人たちの中にも、子どもはお留守番で母が平昌に来ている、っていう人も何人もいます。
なんていうか、そういう人たちを見るとすごく励まされます。
みんな何食わぬ顔をしているのに、実は子どもや家族に会えなくて寂しいとか、ペットに会いたくてたまらないとか、そういう気持ちを抱えつつ、ちゃんと仕事しているんだな、って。

平昌五輪への取材は、すごく希望していたものでした。
だから、行かせてもらえるとわかったときは、とても嬉しかった。
でも同時に、行きたくない、っていう思いが同じくらいの強さでわいてきて、そんな自分にちょっとびっくりしたりもしました。

なんだろう、2週間半も子どもと会えないってどういうことなんだろうか、とか、仕事だとはいえ単に私が希望しただけの仕事なのにそのために子守りとして私の親や夫にいつも以上の負担がかかってしまうとか、母親が長い時間いないのは子どもに申し訳ないんじゃないか、とか……本当に驚くばかりのネガティブな気持ちがわいてきてわいてきて。
五輪に行くことが決まったのは半年以上前のことなのですが、ずっと「とりあえず直前まで、感情的なことを考えるのはストップ」と、フリーズさせておきました。
感情的に考えたら、平昌にはとても行けない、から。

残り1カ月になっても、気持ちはぐずぐずしていました。
仕事としては、やるぞー! って感じなのですが、どうしても盛り上がらない。
だから、「出発の半月前になるまでは考えない」「1週間前になるまでは・・・」「3日前になるまでは・・・」と先延ばしにしてきたんですけど、そんな出発の2日前、ちょっと気持ちが変わることがありました。

同じマンションに住んでいて、子ども(うちの子より大きい)を同じ保育園に通わせている方と週に数回お迎えの時に会うのですが、2日前に、「明後日から出張で2週間半いなくなるので、いろいろよろしく」って話をしたら、「えー、いいじゃないですか。がんばって! まだ(子どもも)小さいから、わからないしね」と言ってくれて。
その言葉に、実は今ものすごく支えられています。
多分あの人は、私がそこまであの会話を大事にしているとは思っていないと思うけど、何気ない言葉だったからこそ響いてきたのかもしれません。
「ああ、そうよね。まだ子どもも何が起こっているかよくわからない時期だから」と思うだけで、ものすごく気持ちが楽になりました。

 

そんな風に半年以上前から揺れ続けてきたんですけど、実際に来てみて、1週間経った今思うのは、「意外と平気だな」ってこと。

とはいっても、こっちに来てから、あるメディアの方の携帯電話の裏に子どもの字で書かれた紙が貼られていたので尋ねると、「『おつかれさま』って書いてあるんですよ、子どもが書いてくれたの。これに支えられているんです」って。もうその話をしただけで、2人とも泣きそうになり・・・。

なーんて、そんなちょっとした刺激でぐわんぐわんと揺さぶられちゃうんですけど、でも、今は毎日スマホでテレビ電話ができる、そんな時代!
休日は朝と晩、平日は夜だけだけど、「夜、テレビ電話する」っていうことを毎日の糧に生きています。

そんな待ち遠しいテレビ電話の時間。
子どもはスマホ越しに「ママ」とか「はーい」とか言ってくれます。
スマホを持ったままがつがつ歩いたりするので、あごの下からの顔っていう普段見たことのない角度からの子どもを堪能でき、なかなかに楽しかったりもします。
ものすごい笑顔で歩いているので、「私と話せて嬉しいのかなー」と言うと、子守りのわが母が「スマホが嬉しいみたい。スマホが好きなんだよね」と・・・。
そうですか、スマホですか、だからニッコニコなのね。
でもなんでもいいや、かわいいから。

うわーんと泣いたらすぐに、おばあちゃんであるところのわが母が「どうしたの?」と抱っこして甘やかしているらしいです。
その間に、夫は皿洗いやごはん作りをしているみたい。
「すごい甘えん坊になってるよ。要求すれば全部やってもらえてるから」と夫。
まあ、いっか。
みんなが楽しく暮らしてるなら、それでいいかな。
そう思うことにしています。

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hasegawahitomi
ライター 長谷川仁美です。 フィギュアスケートのこと、そのほかに日々のことなどを。 「やっぱり、フィギュアスケートっていいな」「やっぱり日常っていいな」という思いで、このサイトを続けています。