フィギュアスケート

ミーシャ・ジー インタビュー(3)

さらにインタビューは続きます。

ポーズを、とのオーダーに。

 

―ブレードについては、どんなことをされているのですか?

「MKブレードとジョン・ウィルソンの国際代表として、スケーターたちの希望を聞いたり、カスタムしたブレードを作るために会社と話したりですね。他にも、ブレードについて深く勉強したり、進化させるための話をしたり。どのスケーターにとってもスケートの道具であるブレードがよくなるのはいいことですよね」

 

―具体的には、どんなカスタムができるのでしょうか?

「色、材質とかをカスタムできます。もともとの(既製品の)ブレードをベースにしているけど、エリートスケーターには、かなり細かいところまでリクエストに応えた高品質のものを作っています。
たとえば、2017-18シーズンは、黒く塗ったブレードをユヅ(羽生結弦選手)に作りました。会社全体で、細心の注意を払って仕事をしましたね。彼はオリンピックでそれを履いて2連覇しました。数週間前にはドラゴンゴールド色のブレードをボーヤン・ジンに作ったし、いくつかほかのスケーターにも予定があります。
材質に関してだと、ブレードの上の部分(靴と接する部分など)はカーボンファイバーでできていて(下はステンレス)、たとえばユヅが五輪で使ったブレードには、イタリアの特別なカーボンファイバーをオーダーして使いました。通常、カーボンファイバーはとても軽いんだけど、オーダーしたものは普通のものよりかなり強くて、フェラーリとかランボルギーニのような車に使われているものでした。
作りっぱなしじゃなくて、スケーターからフィードバックをもらって、それをブレードの進化に活かしてもいるんです。メドベージェワ用にも特別エディションのブレードを製作中で、もうすぐできるんですよ」

 

―プルシェンコさんのブレードには「King」、羽生選手のブレードには「Wing」の文字が施されていると聞きました。

「はい、ブレードの上にレーザープリントができるので。去年の夏だったかなあ、ユヅはいつも跳んでいるし、それにモチベーションが翼のようだから、『Wing』がいいねって。彼が送ってきたフォント(書体)で『Wing』とプリントできるよう、他の会社にお願いしてやってもらったんですよ。いくつかのブレードで先にテストしてからね」

 

―ミーシャはブレードに、何とプリントしているんですか?

「『Misha Ge』だよ(笑)。僕のはとてもシンプル。すべては顧客のためだから(笑)」

 

▶ミーシャ・ジー インタビュー(4)

▶ミーシャ・ジー インタビュー(1) ▶ミーシャ・ジー インタビュー(2)

【過去のインタビュー】

▼ミーシャ・ジー選手インタビュー(2017年5月インタビュー)

▼フィギュア選手の「最後のシーズンかも」との言葉から(2017年2月インタビュー)

▼男子フィギュア、ミーシャ・ジー「変化のときが来た」(2014年3月インタビュー)

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●6月16日(土)13:00-14:30
「フィギュアスケートの楽しみ方
 ~ライターとして見てきたフィギュアスケート~」

私が初めてフィギュアスケーターにインタビューしたのは、2002年でした。
それから15年ほどの間、コーチ、振付師、関係者などにお話を聞いたり、試合やアイスショーの取材をしたりしてきました。
そんななかで、感銘を受けたシーンややりとり、忘れられないエピソードなど、ライターとして見たり感じたりしてきたことをお話します。

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●7月21日(土)13:00-14:30
「フィギュアスケートの楽しみ方
 ~あのスケーターやコーチたちの、あの頃~」

現在、コーチや振付師、コメンテーター、プロスケーターなどとして活躍している国内外の元選手たちの、現役時代の演技を振り返ります。
あわせて、どういう時代にどういう状況下でその演技を見せたのか、といった背景もご紹介することで、フィギュアスケートの体系的な知識を培う一助になればと思います。

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●8月4日(土)13:00-14:30
「フィギュアスケートの楽しみ方
 ~『白鳥の湖』を見比べる~」

ピョートル・チャイコフスキー作曲の『白鳥の湖』を使った様々なスケーターたちの演技に触れ、それぞれの表現の違いを見比べる1時間半です。
同じ曲でも、まったく違った作品になっているそれぞれを、編曲や振付け、そのスケーターの持ち味、衣装などから再び味わいます。

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●9月15日(土)13:00-14:30
「フィギュアスケートの楽しみ方
 ~2006年トリノオリンピックを堪能する~」

12年前の2006年トリノオリンピックを覚えていますか?
今のような採点方式になって初めてのオリンピックでしたが、とはいえ、6.0方式だった旧採点方式のテイストもまだ残っていたあの大会。
男女シングル、ペア、アイスダンスすべてを振り返り、忘れていたこと、初めて知ることなど、フィギュアスケート観戦の喜びに浸る時間をめざします。

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ライター 長谷川仁美です。 フィギュアスケートのこと、そのほかに日々のことなどを。 「やっぱり、フィギュアスケートっていいな」「やっぱり日常っていいな」という思いで、このサイトを続けています。