選手の「自己ベストの得点」を高得点順に知りたい。どこを見たらわかる?  #フィギュアスケート

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さて、「最高得点って、どこで見られる? #フィギュアスケート」の続きです。

今回は、このページの黄緑色の下線を引いた2つのうちの、右の部分、「Personal Best Scores」を見ていきます。


例として「Total」の「Men」をクリックすると、以下のようなページが出てきます。

この表の名前は、「ISU Personal Best Scores Statistics」
「Statistics」は「統計」ですから、「ISUの自己最高得点の統計」の表です。

「Total Men」なので、「男子シングルの総合得点」に関する、各選手の「自己最高得点」の表、ということですね。

表を見ると、世界標準時の2021年10月2日の16:20時点では、男子シングルの総合得点で自己最高得点が一番高いのは、ネイサン・チェンで、335.30点。
これは、2019年12月のGPファイナルで出した得点です、ということがわかります。
もう少し広い意味でとらえると、この表が作られた時点での男子シングルの最高得点は、ネイサンの335.30点だということもわかりますね。

■2020年に自己ベストを更新した選手が少ないのは……

この表を上からざーっと見ていくと、2019年に自己ベストを更新した選手が多く、2020年と2021年はすごく少ない、と気づくと思います。
これには理由があります。
答えは、コロナ禍で大会の中止などがあったから、です。

2020年3月の世界選手権が中止となったあと、2020-21シーズンのGPシリーズは特例の中で進められましたし、中止になったGPの大会もあったため、2020-21シーズンのGPシリーズでの得点はISUの各記録にカウントされないことになりました。

ちなみに、シーズン後半の四大陸選手権、ヨーロッパ選手権、世界選手権の成績は、この表に反映されています。
(2021年3月に予定されていた世界ジュニア選手権は、コロナ禍のために中止されています。)

そういうことから、この表に2020年が少ないんですね。

■自己ベストを更新するのは、なにもシーズン後半の大会に限らない。

私の印象として、「自己ベストを更新するのは、シーズン後半、なかでも、練習に力を入れてきた世界選手権とか、そのあとの国別対抗戦が多いんだろうな」とぼんやりと思っていました。

ですが、この表を見てみると、実際は違いますね。

たしかに、国別とか世界選手権で自己ベストの人もいますが、ネイサンは12月のGPファイナル、羽生選手は10月のスケートカナダ、コリャダーは9月のオンドレイ・ネペラ杯です。
「ファクトフルネス」という本を読んだ時、「私、多分、いろいろなところで思い込みまくっているんだろうなあ」と思ったのですが、こんなところにも思い込みが潜んでいました。

■女子シングルにおけるロシア勢の席巻、を感じる。

このページから、今度は「Total」の「Women」を開いてみました
下の表が出てきます。

ちなみに、今2021-22シーズンから、女子シングルの英語表記が「Ladies」から「Women」に変わっています。
まだちょっと慣れないです。

この表を見てまず感じること。
それは、上位10選手のうち8選手がロシアだということ。
残り2選手は日本。
ただの表ですが、そんなところからも、ロシア女子選手たちの圧を感じます。

また、男子と違って女子で如実に感じるのは、ジュニアの選手もこの表の上にランクする、ということです。

この表の右端の欄、「S」はシニア、「J」はジュニアを表します。
女子シングルでは、上位20選手のなかで5選手がジュニアです。
男子では、上位20選手のうちジュニアは、20位に1人だけ。
20位の佐藤駿選手の、2020年3月の世界ジュニア選手権の時の記録ですね。
女子選手は、ジュニア時代から総合得点でもがんがん上位に食い込めるということがわかります。

■今は競技から離れている選手の名前も。

ここまで見てきたものは、2018-19シーズン以降にISUの大会に出た選手たちの自己ベストの表なので、そうした選手すべての情報が載っています。
そのため、引退した選手や、今は競技を離れている選手のデータも残っていて、嬉しいような寂しいような気持ちになったりもします。

男子シングルの表をもう一度見てみます。


総合得点の11位に、ハビの名前がありますね(黄緑色の下線部分)。
2018年平昌五輪で銅メダルを手にした後、最後に1度だけ出た2019年のヨーロッパ選手権のときの得点。
この大会で優勝してユーロ7連覇(歴代2位)の記録を残した、彼にとって最後の大会の記録です。

女子シングルの方ももう一度見てみましょう。

総合得点の4位にザギトワが、10位にメドベージェワが、12位にトゥルシンバエワが。

ザギトワは2018年9月のネーベルホルン杯の記録。
つまり、五輪で優勝したシニアデビューの2017-18シーズンを経た次のシーズンの最初の試合ですね。
世界選手権で悔しい思いをしたあとの新シーズンの記録です。

メドベージェワは、2019年11月のロステレコム杯の得点が残っています。
2018年の平昌五輪で銀メダリストになって、トロントに拠点を移し、その後スケートを変えたことでうまくいかなかった苦しい2018-19シーズンを経て2季目の11月。やっと少しずつ新しいスケートを見せられるようになってきた、そんな折のロステレコム杯でした。

トゥルシンバエワの記録は、2019年の世界選手権@さいたまです。
彼女はこのとき、ISU公認大会のシニア女子史上初の4回転サルコウを決めて、銀メダリストになりました。
その後小さな試合に出たけれど、怪我があり、今年9月下旬に引退を発表しています。

と、ただの表なのに、その1行1行や数字、文字から、いろいろなことが思い浮かんできたりします。
そんな風に表やグラフを見るのも、楽しいですね。

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