「史上最高得点など、得点に関するものはどこで見られますか」ということも、よく聞かれます。
これらも、「世界ランキング」と同じく、ISUのサイトから見ることができます。
■最高得点を、ISUのサイトで見る。
まず、下の写真のように、「FIGURE SKATING」をクリックします。
出てきた「Entries & Results」を触ると、下に5行出てくるので、「Statisitics」をクリックします。
「Statistics」。
見慣れない難しそうな英単語です。
ちょっと腰が引けますが、そういうときはすぐに単語を調べましょう。
「Statistics」は、「統計」。
「Statistics」をクリックすると、下のようなページが出てきます。
冒頭に英文があります(黄緑で囲っています)。
読んでみると、
+5 / -5 GOEの導入(2017-18以前は+3/-3GOEでした)に加えて、2018-19シーズンのスタートとともに、すべての統計は一度ゼロにリセットされました。
https://www.isu.org/figure-skating/entries-results/statisticsの英文を、個人的に和訳
以前(2017-18以前)の統計は、「historical」という扱いになっています。
と説明されています。
はいISUさん、その件はもちろん了解しています!
■「Progression of Highest Score」(最高得点の進化、推移)
さて、その下を見ていきましょう。
黄緑色の下線を引きましたが、「Progression of Highest Score」と「Personal Best Scores」という2つ。
まず左の、「Progression of Highest Score」から。
「progression」の意味は、「数列、進化、発展」。
つまりこの表は、「最高得点の進化」。意訳すると、「最高得点の推移」ということになります。
例として、「Men」の「Total」をクリックすると、下のようなページが出てきます。
見ていくとなんとなく想像できるように、この表から、「男子の総合得点に関する、最高得点の更新の歴史」がわかります。
さきほど注意書きがあったように、2018-19から統計がリセットされたので、この表も、2018年7月1日~現在までのものになります。
表をじっくり見ていくと、一番下の「Kwun Hung LEUNG」選手の出場大会名が、「ISU CS Asian Open Figure Skating Trophy 2018」。
つまり、統計リセット後最初の大会は、2018年8月のアジアンオープントロフィーだったのね、ということもわかります。
もう少し言及すると、フリーの1番滑走がこの「Kwun Hung LEUNG」選手だったので、この表に名前が残り、山本草太選手までの計5人が、この大会で少しずつLEUNG選手の総合得点を更新していった、ということもわかります。
(実際に、2018年のアジアンオープントロフィーの男子フリーのリザルトを見ると、LEUNG選手が1番滑走です。)
先ほどの表に、4色で線を引いてみました。
表を下から見ていくと、アジアンオープントロフィーのあとも、ジュニアGPブラチスラバ大会、ロンバルディアでいろいろな選手が更新していきますが、ロンバルディアの宇野選手、スケートアメリカのネイサン、GPヘルシンキ大会の羽生選手(黄緑色の下線部分)で、次の更新まで少し間があきます。
つまり、2018年にたくさんの人が総合得点を更新した(=たくさんの人がものすごい演技をしまくった)かのように見えますが、そうではなくて、2018年夏にこの統計がリセットされたことで最高得点が0点になった。
それに伴って、その後最初に滑ったLEUNG選手が最初の最高得点に名前が残り、同じアジアンオープントロフィーで彼の総合得点を超えた選手(Leslie Man Cheuk IP選手)が次に名を残し……ということが行われていったということです。
そして、11月の羽生選手のあと次の更新(表の水色の下線部分/これも羽生選手になるのですが)まで少し間があいた、ということはつまり、11月の羽生選手の297.12点とは、その時点の男子選手にとってのかなり高めの総合得点を出せる選手たちがこの時期までに試合に出てきましたね(そしていい演技もしました)、ということを意味しているのです。
文章にするとわかりにくいですが、ものすごくざっくり言うと、シーズン前に統計がリセットされたけど、11月には男子の総合得点の最高得点更新も落ち着いた、ということになります。
さらに見ていくと、2019年3月の世界選手権で羽生選手が300.97点を出し(表の水色の下線部分)、自分の持つ最高得点(総合得点の)を更新しています。
と思ったら、その1つ上、ネイサンも同じ2019年世界選手権で、323.42点を出しています(オレンジ色の下線部分)。
ということは、この世界選手権の優勝は、ネイサンなのだということもわかりますね。
そして、あまり必要はないかもしれないけれどもうひとつわかるのは、フリーの滑走順は、羽生選手が先、ネイサンが後だったのだろうな、ということですね。
(実際、2019年世界選手権の男子フリーのリザルトを見ると、羽生選手が22番滑走、ネイサン選手が23番滑走だとわかります。さいたまワールド、懐かしいですね!)
そして、私がキャプチャしたこの表が更新されたのは、「世界標準時の2021年10月2日」。
その時点での、男子の総合得点の最高得点を持っているのは、ネイサン(表の赤色の下線部分)です。
2019年12月のGPファイナルで出した335.30点。
これが、私がこのブログをアップしている2021年10月5日現在の男子の総合得点の最高得点です。
ということが、この表から読み取れます。
表を読むのって、おもしろいですよね。
さて、「Personal Best Scores」やそのほかの部分については、また以降のブログで。
では~。