書籍など

【フィギュアスケート本紹介(2)】スケーターの自伝で、おすすめは?

フィギュア本紹介の第2弾です。
第1弾は、こちら▼です。

スケーターの自伝、スケート関係者の著作(12冊)

『重力と闘う少女: フィギュアスケートの世界を変えた、四回転の女王』

2017-18シーズンくらいから、トゥルソワさんのことはかなり一生懸命に見てきたつもりでした。

髪の毛は一度も切っていない。
愛犬をかわいがっている。
スポーツ一家生まれ。
キスクラでは、メドベージェワからもらった『ユーリ!!! on ice』のマッカチンのティッシュケースを使っている。
……などなど、エピソードもいろいろ知っていたつもりだったのですが、彼女の背景についてよく知らなかったことに、読みながら気づきました。

すごい運動神経を持っていて、さらにすごい忍耐力、頑張る力、信じる力を持っている、ということを知りました。そうですよね、今季とくに目を引くようになった、鋼のような身体。ああいうものは、努力なしでは培われない。

今の彼女がなぜここまですごいスケーターになったのか、その理由がわかった気がしました。

現在のロシア女子の状況を見ると、トゥルソワさんであっても「北京五輪に出場する」とは言い切れません。でもきっと成し遂げるんじゃないかと思うのは、この本を読んだからかもしれません。
ロシア選手権前に、ぜひ!

kindle unlimitedでも読めます。

『スケートと歩む人生』(佐藤有香)

2021年12月に発売されたばかりの本です。
とても面白く読みました。
スケートファンにも、スケーター自身にも、スケーターの親御さんにもしっくりくる一冊だと思います。

以下は私の思い出なのですが、私が初めてインタビューさせていただいスケーターが、有香さんでした。2002年のNHK杯で、です。
ライターになろうと思っていた時期に有香さんにお手紙を書いたところ、数週間後、海外の電話番号での着信が来ました。だれだろう?と思いながら出たところ、「スケートの佐藤です」という声。一瞬訳がわからず、でももしかしてと「佐藤有香さんですか!?」と聞くと、「はい、そうです」の返答。その後のことは、何も覚えていません。
その電話はインタビューを受けていただけるという内容で、そしてNHK杯でのインタビューになったのでした。
あのインタビューのことはかなり覚えているし、貴重な機会をくださった有香さんやその周囲の方々に、とても感謝しています。

その後、何度も有香さんにはインタビューさせていただき、現役時代やプロになってからの(全然想像していなかった)苦悩の日々のことなどをうかがうこともありました。
それでも知らなかったことが、この本にたくさん掲載されていたーという思いで読みました。

現役の羽生、髙橋、宮原らたくさんの選手についてもエピソードや有香さんだからこその視点もあったり、またジェレミー・アボットとの全米の素晴らしい演技→ソチ五輪でのSP、フリーというお話も興味深かったです。

この本で気づいたのですが、ソチ五輪で有香さんはアボットのSP!!という事態に、お父さんである佐藤信夫先生は真央さんのSP!!!という事態に直面されていたんですね。

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『諦めない力』(佐藤信夫)

信夫先生に10時間以上お話をうかがってできあがった一冊です。

まだ世界選手権が屋外のリンクで行われていて、そのリンクでのコンパルソリーの日に雪が積もってしまったときのこととか、また同じく屋外リンクでのコンパルソリーのとき、今度は影ができるような晴天だったのだけど、リンクの上などを照らすための照明のケーブルの影がリンクにうつっており、こっそりとそれを指標にしながらスタートした、とか。

エピソード自体がおもしろいうえ、先生のお話もとてもお上手なので、ぐいぐいと引き込まれていきます。

『宮原知子の英語術 スケートと英語のさとこチャレンジ』

書評でこちらに書かせていただいています。

「官房長官」という英単語、言えますか?(答え:Chief Cabinet Secretary)。宮原さん、すぐに言えたみたいです。
というように、英語の勉強などについての本なのですが、「きっとスケートに関してもこうだったんだろうな」といろいろと想像できる、とても爽やかで気持ちのいい本です。

それにしても、本当にすごい人です、宮原さん、という思いを新たにしてしまいます。

『オーバーカム』(アレクセイ・ヤグディン)

ヤグディンの自伝です。ネタ満載で、ほんっとうにおもしろいです。
以下のリンクだとなんだか高くなってしまっているので、ブックオフとかで探した方がいいと思います。
私はこの本が大好きすぎて、ブックオフなどで見つけると必ず買い、いろいろな友人にあげたりしています。

『蒼い炎Ⅱ』(羽生結弦)

羽生選手の自伝的な本、2冊目です。
2012年に世界選手権銅メダリストになってから、カナダにわたり、ぐんぐん上り詰めていった2013-14シーズン(GPファイナル、ソチ五輪、世界選手権優勝)、さまざまなアクシデントを越えて2016年世界選手権ころまでのことがまとめられています。

先日久しぶりに読み直してみたのですが、この本、若いエネルギーいっぱいの時期からスタートし、中盤あたり(まだ19歳とか)ではすっかり大人のアスリートのお話になっていることに気づきました。
渦中にいるときには気づかなかったけれど、心身のものすごい成長の時期の羽生選手の側面を知ることのできる1冊だと思います。

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『兄・宇野昌磨』

弟から見た宇野選手について、という斬新な切り口の本です。
弟という絶妙な距離感なので、他者だと聞きにくいことや知りえないことも、さらりと書かれていて、この切り口っていいなあ、と感じました。

宇野選手はYouTubeチャンネルでいろいろ披露したりしていますが、(問われればきちんと答えるけれど)自分から自分のことをああですこうですと話すような感じには見えなくて、そのあたりを、弟目線というのはすごくよくフォローできていて、素直におもしろく読みました。

『 ジョニー・ウィアー自伝 Welcome to My World 』

スケートに関してだけでなく、ゲイであることなど人生そのものにも触れている濃厚な一冊です。巻頭の写真の中には、ライサチェクと2人で笑っている1枚もあり、そんな写真をチョイスするセンスが好き、と思う。

現役時代、ライバル(でありあまりお互いにいい感情を持っていなかったといわれる)だったライサチェクについての好きなエピソードがあります。ジョニーがあまりうまくいかなかったとき、「白鳥、お前もたいへんだな」とエヴァンに言われた、というもの。エヴァンとジョニーとの間にそんな、ちょっとほっこり(っていっていいのか)するやり取りがあったと知り、なんだか嬉しい気持ちになったのです。

がしかし、今回探したのですが、そのエピソードがどうしても見つからない。「白鳥」って呼びかけられているはずなので、2006年以降あたりのエピのはずなのに、ない。私はてっきり、2008-09シーズン(ジョニーが世界選手権に出られなかった時期)のエピだと思っていたのだけど、ない。あのエピソードの出典はどこだったんだろうか。

いずれにしても、ジョニーからみたいろいろなことが、赤裸々目(きっとかけなかったこともいろいろあるでしょうと推測)に書かれていて、好奇心丸出しで読んでしまいます。

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『 羽生結弦を生んだ男 都築章一郎の道程』

ロシアのスケートを(も)好きな方はぜひぜひ。
都筑先生のお話はもちろんのこと、ミーシン先生、タラソワ先生らのインタビューもたくさん。

なかでも私が一番おもしろく読んだのは、ルイシキンのパートです。
昔、都筑チームにはルイシキンという先生がたまにロシアから来ていて、パフォーマンス面についてすごくいろいろ指導してくれたということを、最初は悠子ちゃん、その後都築先生ご本人などからいろいろうかがってきたので、ルイシキン先生にすごく興味がありました。

でも、ルイシキン先生のことってずっとほとんど記事がなかった。

それが、サプライズのようにこの本にインタビューが載っていて、とてもおもしろくて、読んでよかったーという読後感です。

『ステファン・ランビエル』

きれいな写真がたくさんあり、さらに自伝的なことも、ステファンの語り口的な文章で書かれています。

今や世界トップ選手のコーチ、振付師となったステファンの、若き日のこと、スケーター時代の思いなどを知ることのできる一冊です。いろいろなエピソードが懐かしい!

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『タマラ・モスクヴィナ フィギュア・ペア大国ロシアの偉大なるコーチ』

こちらは、タマラ先生についてあれもこれもそれもどれも載っている、濃厚な一冊。
選手時代のこと(ミーシン先生とペアを組んで、世界選手権2位になったりしています)や、コーチとしてたくさんの五輪メダリスト(金メダリストもたくさん)を育ててきたお話、そして新しくできたタマラリンクのことなど、ほんっとうに知らないことばかりを、ものすごくたくさん掲載されています。写真もたくさんだし、何度読んでも毎回「へえー」と思う箇所があります。

残念ながら、多分もう新刊では手に入れられないようなのですが、メルカリとかにあるかもなので、ご興味ある方、見つけたら即座に購入された方がいいです、と推したくなる一冊です。


https://booth.pm/ja/items/808318

『The Secrets of the Ice』(アレクセイ・ミーシン)

ミーシン先生の、何冊目かわからない著書(英語)です。
DLしたままほとんど読めていないのですが、写真は全部見ました。
見たことのあるミーシン先生の昔のお写真もいくつかあったのですが、多くは、未見のもの。
生徒たちの写真もいろいろあります。

序盤は、一番の弟子だったはずのプルシェンコより、コストナーの写真方が多かったので若干心配になりましたが、後半、プルの写真もたくさんありほっとしました。ミーシン先生、コストナーお気に入りで下から納得です。
プルシェンコとヤグディン、ウルマノフそれぞれが象に乗り、さらにそれら3頭の象は、ミーシンが先導する大きな亀の上に乗っていて……という謎の写真なども掲載されています。

リーザのお写真もいっぱいですし、写真だけでも私は大満足。もちろん読む予定です。できれば年末年始に読みたい。

最終盤にはステファンから、

スイスに 僕と同じレベルの男子選手がいなかったので、ピーター・グリュッター先生に連れられて、オランダのキャンプに行きました。90年代のことです。そこでミーシンチームのエネルギーに胸打たれて……(※おおまかな翻訳です)

『THE SECRETS OF THE ICE 』ALEXEI MISHIN

というようなコメント(もっと長いです)も。

ミーシン先生のロシア語の自伝が家にあるのですが、それはたしかミーシン先生ご本人にいただいたんだったような……記憶があいまいです。ロシア語なのでこちらは全然読めないのですが、でも写真が楽しいです。

ちなみにちょっと自慢ですが、ミーシン先生に以前、ロシアチームのキャップ(帽子)をいただきました。長年さまざまな大会で先生にお会いするたびにお話を聞いたり笑わせていただいたりしてきたのですが、何年か前のジャパンオープンでご挨拶にいったら「ちょっと待っていなさい」と、控室まで戻って、帽子を持ってきてくださいました。

そんなミーシン先生のご著書『The Secret of the Ice』は、『International Figure Skating』のサイトからDLできます。私も普通にクレジットカードで支払い、問題なく購入できました。

▶『The Secret of the Ice』(アレクセイ・ミーシン)

衣装について(2冊)

『フィギュアスケートLife extra 華麗なるスケート衣装の世界』

2020年3月の出版なので、その時点までの衣装がいろいろ載っています。
男子、女子、ペア、アイスダンスすべての衣装をまんべんなく網羅していて、とにかくページをめくるのが楽しい。
羽生選手と宇野選手については、それぞれの衣装の歴史が見られる、眼福なページも。
今のすごい性能のカメラのおかげで、こまーかなところまでいろいろとよく見えるので、本当にじっとりと舐めるように見てしまいます。
私が好きなのは、最終盤の、個性派ぞろいの衣装衣装衣装のページ。にやにやしてしまいます。

スケーターの保護者さん向けに衣装のつくりかたページも。

『フィギュアスケートLife extra 華麗なるスケート衣装の世界Ⅱ』

先ほどの第2弾。1年後の2021年3月に出版されています。とはいってもこの1年の衣装だけではなく、過去の様々な衣装いっぱいで、本当に楽しい。

髙橋大輔選手、コストナーの衣装コレクションページも、町田さんの衣装インタビューもいいです。
読者の人気投票では、こんなのがあったよねーと懐かしくページをめくってしまいます。

やっぱり、あと1冊追加で。

フィギュアスケートの本、たくさんあります。
本当はここに載せなかったけれど大好きな本がいくつかあるのですが、いずれも絶版になってしまっていてなかなか手に入りにくいと思うのでのぞいたのですが、やっぱりあと1冊ご紹介してから、フィギュア本紹介part2を終えます。

『愛しのセルゲイ』(エカテリーナ・ゴルデーワ)

伝説のペアといわれるゴルデーワ&グリンコフのお話です。ペアのパートナーとして知り合い、結婚して子どもが生まれて……というときに、スターズオンアイスの合宿中の氷上で、グリンコフは亡くなりました。

このペアが大好きだったので、知らなかったストーリーにたくさん触れられたことも嬉しい一冊です。

また、村元&髙橋チームのコーチでもあるマリーナ・ズエワ先生が、たくさん登場します。ズエワ先生は、このG&Gペアの振付師としてスケート界で著名になり、その後たくさんのアイスダンサーたちを育ててこられました。友加里ちゃんの『スペイン奇想曲』や小塚くんの『序奏とロンド・カプリチオーソ』、真凜選手の『スプリングソナタ』など、たくさんのシングルスケーターの振付けもされています。

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ライター 長谷川仁美です。 フィギュアスケートのこと、そのほかに日々のことなどを。 「やっぱり、フィギュアスケートっていいな」「やっぱり日常っていいな」という思いで、このサイトを続けています。