2022北京オリンピック

団体戦1日目/男子シングルSPのいろいろです。

2月4日(金)がやってきました。
とうとう2022年北京五輪が開幕します。

夜の開会式に先立って、フィギュアスケートでは、団体戦初日がスタートします。

団体戦1日目のリザルト

まずは、オンタイムリザルトのページを。
競技中、このページを見ると、その時の最新のリザルトが見られます。

滑走順は、各カテゴリーの世界ランキングの逆順です。

■男子シングルSP
https://results.isu.org/results/season2122/owg2022/SEG009.htm

■リズムダンス
https://results.isu.org/results/season2122/owg2022/SEG015.htm

■ペアSP
https://results.isu.org/results/season2122/owg2022/SEG013.htm

団体戦 男子SP

男子SPを見るにあたっての便利情報をまとめておきます。
念のため、再度、リザルト

エントリー傾向についての想像

団体戦の直後は、個人戦男子シングルです。
団体戦に出場する国の男子選手、結構厳しいスケジュールになります。

なので、個人戦男子に複数枠を持つ国が団体戦に出る場合、団体戦の男子はSPとFSで選手を替えてくる可能性が非常に高いです。

団体戦の10か国の、個人戦出場男子は……

  • ROC(ロシア) コンドラチュク、モザリョフ、セメネンコ
  • アメリカ ネイサン、ヴィンセント、ジェイソン
  • カナダ キーガン、サドフスキー
  • 日本 羽生、宇野、鍵山
  • 中国 ボーヤン
  • イタリア グラスル、マッテオ
  • ドイツ 個人戦枠なし
  • ジョージア クヴィテラシヴィリ
  • チェコ ブレジナ
  • ウクライナ シュムラトコ

個人戦の複数枠があるのは、ROC、アメリカ、カナダ、日本、イタリア。

がしかし! 
カナダのキーガンが、現在PCR検査の陰性2回を待っているところで、まだ北京に着いた、と聞こえてきていません(4日朝7時現在)。サドフスキーはが1人でSPとFSを滑ることになりそうですね。

なので、ROC、アメリカ、日本、イタリアがフリーに進む場合は、男子FSは、SPとは別の選手が滑る可能性が高そうです。

ジェイソンの飾りつけに、思う。

アメリカはSPはネイサン。なので、フリーはヴィンスかな? 
という前提で話をします。

昨日、ジェイソンが団体戦のアメリカチームのキスクラを飾り付けたよ、という投稿を見ました。ジェイソンは以前からずっと、団体戦でも滑りたいと言っていました。

そして、北京入りする前から、自分は団体戦に出ないということがわかっていたわけですよね。
そういう状況での、以下のツイートです。

こういうところ。
本当に尊敬、というかどうしてそんな風にできるのかジェイソン、と胸が熱くなりました。(ジェイソン、FSを滑るかもしれないし、そしたら話はちょっと変わってきますね・・・)

10か国のはずが、男子SPは9人?

そしてそして……10か国なのに、男子SPのエントリーが9人って?と思われたかもしれません。
そう、ウクライナのシュムラトコが、北京に入ってからコロナ陽性。ということで、団体戦は出ず、個人戦までに間に合うように……というところのようです。気の毒です。

ウクライナはこのまま男子シングルなしで、団体戦を続けます。

同じように、ドイツもペアなしで団体戦を続けることが決まっています。ハーゼ&ジーゲルトのジーゲルトがコロナ陽性のため。こちらはペアなので、個人戦までにはきっと陰性になり、出場可能だと思います。

出場選手のバイオやSNS(滑走順に)

1.パウル・フェンツ(ドイツ)

ベルリンで練習しているフェンツさん。もう29歳になったんですね! 
平昌五輪は個人戦22位でした。

北京五輪では、ドイツ男子は個人戦の枠が取れず(フェンツさん、ネーベルホルン13位でした)、彼は団体戦だけの出場です。そして団体戦1番滑走。

たしかソチ五輪の団体戦の最初の滑走だったイギリスのマシュー・パーくんも同じように、団体だけの出場で団体1番滑走だったように思います。

フェンツさんは、ジュベールが好き。
バイオです。

2.ローマン・サドフスキー(カナダ)

今回、カナダ男子は2枠あります。世界選手権で1枠+チャレンジ権1枠に。
そこで、サドフスキーがネーベルホルンに出場し、8位で、五輪2枠目をゲットしました。

となると、サドフスキーが1人でショートとフリーを滑ることになるかな、と。

サドフスキーは、もともとホッケーの練習のためにフィギュアを習い、コーチに続けることを提案されて、フィギュアスケートの道に。ウクライナからカナダに渡った両親の元で育ちました。

初めての五輪です!

バイオインスタ

3.ミハル・ブレジナ(チェコ)


ミハル、4回目の五輪です。31歳になりました。
今回は、パパとなって初めての五輪ですね。2020年2月、娘のNaya Roseちゃんが生まれています。

今回のチェコは初めて団体戦もあり。そのため、今日もさっそく、妹・エリシュカがキスクラで応援する姿が見られるかもしれません。たのしみー!

「ブレジナ」のチェコ語の発音は、すごく難しい。カタカナで書くと「ブジェジナ」が一番近いですが、でもあんまり近くないかも。

ネイサンたちと一緒にアルトゥニアンの元で練習してきました。なので、北京五輪に来てからの練習風景で、アメリカ男子とチェコ男子が同じ練習グループで、ネイサンと肘タッチしているのを見て、ああ、2人ともここに来られてよかったなーと、五輪的な感慨に浸りました。

バイオTwitter

4.ボーヤン・ジン(中国)

中国が去年の世界選手権で男子2→1枠になってしまった……その厳しい状況の中、その唯一の代表になりました、ボーヤン。
4年前は4位。フリー後に涙を見せたことに私も涙。そして、彼の涙が「ずっと自分を犠牲にして支えてきてくれた母親への恩返しになるかもしれない(意訳)」というものだったことを知り、さらに私涙、という思い出。

SPは「Crouching Tiger, Hidden Dragon」のOSTです。ヴィンセントのフリーと同じ曲ですね。ちなみにボーヤンの今季フリーの一部には「ボレロ」も入っています。とはいえ、ちょっと雰囲気の違うボレロなので、曲被り感はあまりなし。

ジュニア時代から「すごい4回転を跳ぶ子が中国にいる」と、なんだか恐ろしげな形容で知られるようになった彼ですが、本人はとてもひょうひょうとして人懐こい人です。

バイオ

5.マルク・コンドラチュク(ROC)

ROCというのはRussia Olympic Committee(ロシアオリンピック委員会)のこと。ドーピング問題でロシアは北京五輪の出場が認められていないので、ドーピング違反をしていないロシア選手は、ロシアオリンピック委員会代表として今大会に出場しています。

今大会に出場するROC男子18歳トリオのひとり。今季すごーーーくがんばっています。五輪代表選考に大きくかかわる1月のヨーロッパ選手権では、ロシア男子の18歳トリオが超僅差の1,2,3位に。するとフリーでは2人が崩れたけれど、コンドラチュクだけは、決め切りました!! 今季ロシアチャンピオンでもあります。

こういう勢い、大事にしてほしい。大事にして、っていうのは、大切に大切になでなでという感じではなく、勢いをばーんと使って行けるところまで行ってくれーという意味です。そして、そんな演技が五輪でも見られそうですよね、たのしみー。

バイオ

6.宇野昌磨(日本)

日本が誇る五輪銀メダリスト! 今回が2回目の五輪になります。
2度世界選手権の銀メダリストにも。
昨シーズンの全日本後くらいから、「成長したい」と言い続け、成長のためのスケートを続けています。

ステファンが五輪前に陽性となり(すでに陰性になっているそう)、スイスからの出国待ち中。これについての宇野選手のコメントが、とても彼らしくて、とてもよかった。一部引用します。

僕としてはもちろんいてくれることに心強さは感じたりしますし、ステファンコーチがいると試合だなって感じがあると思うけど、五輪に限らずですけど、選手も1つの大会に向けて最善を尽くして努力して、よりよい演技をしようとしているけど、コーチも一緒だと思う。選手が大会にかける思い、コーチが大会にかける思い、決してどっちが優劣があるとかじゃないと思う。選手が試合に出られないくらい、本人が悔しい気持ちがあると思うので。一刻も早く陰性の、どうにか乗り越えて無事に来られることを願っています。

https://news.yahoo.co.jp/articles/246b1ddd3ed34eb327e27ba99ef7f629d20e7b0c

YouTubeチャンネルのワンちゃんたちとのやりとりが、ほっこりかわいかったりしますので、お時間あるときにおすすめです。

バイオYouTube

7.モリス・クヴィテラシヴィリ(ジョージア)

トゥトベリーゼコーチのところのロシア女子のみなみなさんお兄さん的存在のモリス。五輪は2回目、前回は24いでした。団体戦は初めてです。

モリスはモスクワ生まれモスクワ育ち。両親がジョージアからロシアにきました。
引退したロシアのコフトゥンと親友で、コフトゥンが以前「僕はそんなにたくさんの友達はいらない。でもモリスは友達だ。お互いの実家に行き来しているし、お互いがいなくても勝手に相手の実家の冷蔵庫を開けたりしてなごんでいる」ということを言っていました。
(余談ですが、この話を聞きながら、「ああ、ロシアでも、冷蔵庫というのはとてもプライベートなものなのだな」と感じました。)

今季は、ロステレコム杯で、GP初優勝! よかった!! 

バイオインスタTwitter

8.ネイサン・チェン(アメリカ)

世界選手権3連覇中のネイサンです。
ネイサンはソルトレイクシティで育ったのですが、あのソルトレイクシティで2002年にスケートを始めている、というエピだけで、ヤグプル時代な我々にはずっきゅーんです。

以前そのあたりについて聞いたとき、「姉が、五輪の開会式(閉会式だったかも)のランタンガールをやっていました」と聞きました。そうそう、あの五輪の式典での子供たちは、みんなランタンをもっていました。イメージ、ワイルドな雪の精。長毛のふわふわの白っぽい衣装を着て、ランタン持って駆け回っていて、夢のようにかわいかったあの子たちのなかに、ネイサンのお姉さんがいたんですね。ネイサンのお姉さんが。

今季、SPもFSもプログラムを2019-20シーズンのに戻しました。今季のプログラムにフィットしなかった部分がある、という部分はもちろんあったのだと思うけど、あのシーズンのプログラムって、「最後の最後に、仕上げたものを見せられなかった感」が残っている人が多いのかな、と思ったり。ジェイソンもFSについて語るとき、そんなことを言っていました。世界選手権の数日前に、コロナのために中止になった2020年3月の世界選手権(カナダ・モントリオールでの開催予定でした)。あれからもう2年が経とうとしているんですね。

さて、ネイサン。今回が2回目の五輪。
前回は、団体戦SPに出ましたが、まさかのミスで4位に。アメリカは銅メダルを手にしましたが、その集合写真でも複雑な表情だったネイサン。個人戦はみんなご存知の通り、SPはまさかの3ミスで17位スタートフリーでは6つの4回転を入れて1位総合5位でした。

バイオインスタ

9.ダニエル・グラスル(イタリア)

世界ランキングの逆順で最終滑走ってことは、グラスルがネイサンより上なの? というような疑問がわいている人もいるかもです。が、世界ランキングとは、その時点でのランキングで、さらにランキングに計算される大会への出場数が多いほど、ランキングが上がります(もちろん、各大会での成績がよくなければ、たくさん試合に出ても世界ランキング1位にはなりません)。

それにもちろん、今季ユーロ2位ですし! イタリア選手権4連覇中ですし! 頑張っています。ヨーロッパ人として初めて、試合で4ループを決めた選手なんですね。

グラスルの振付は、SPもFSもブノワ・リショーさん。なので(といっていいのかな)、とてもおもしろいです。SPの『ホワイトクロウ』もいいので、おたのしみに!

バイオインスタ

てことで、男子SPでした。
書き始めると、あれもこれもとなり、意外な量になってしまいました。
この調子でRDとペアSPまで行けるか……。

ABOUT ME
hasegawahitomi
ライター 長谷川仁美です。 フィギュアスケートのこと、そのほかに日々のことなどを。 「やっぱり、フィギュアスケートっていいな」「やっぱり日常っていいな」という思いで、このサイトを続けています。