2022北京オリンピック

2月14-17日、FD、女子SP、FSなどがありました。【北京五輪観戦日記】

五輪期間の後半に差し掛かり、フィギュアスケートもどんどん試合が進んでいきました。
ということで、1日書きそびえれるとあっというまにたまってしまう、夏休みの絵日記的な感じになっていますが、14日~17日までを一気にまとめておきます。

2月14日(月)

アイスダンスのFD

日本時間10:15~スタート。
いやー楽しかったですね。いい演技が多かった。ミスあるチームもぽつぽついたけれど、でもそれを含めてもいい演技が多かった。

4日経ったいま、特に心に残っているFDは、2つ。
1つはギレス&ポワリエ。
中盤の見せ場中の見せ場であるカーブリフトで、パイパーが立ち切れなかった。でもでもそれでもその中でできる限りのことをしたのも印象的だったし、その後の流れもものすごくよかった。
なにより、2人がとても深いところでつながっているような4分間に見えました。
途中、お互いに頷きあいながら、視線を何度も交わしあいながら……私にはとても感動的でした。

この『Long and winding road』が、このリフトミスでより意味あるような曲に思えたし、2人のスケートの伸びがほんっとうに心地よくて、忘れられないフリーに。下のツイートに、胸がぎゅーっとなりました。

もう1つは、シニツィナ&カツァラポフ。
私はカツァラポフのオレオレな演技がとても好きなのですが、今回はプログラムが進むにしたがって、シニツィナの内なる激情みたいなものがぶわーぶわーっと溢れてきて、すごかった。
団体戦SD,FDとも、(本人たち的にはまさかの)2位で、個人戦どうなるかな、と思ったけれど、よかったです。

ほかにも、スペインのスマート&ディアスもすごくよかったし、カナダのボードリー&ソレンセンの『グラディエーター』もいいですね。

チェコ、ポーランドの女子の動きのよさにも、夢中になりました。

そして特にFDで強く思ったのは、「TESカウンターにエレメンツ名をいれてほしい!!!!!」ということ。特にFDではこのリフト、コレオリフトなの?それともショートリフトなの?とかわからないし、知りたいんだーーーという思いでした。

今季は、わたし的アイスダンス元年

アイスダンス、ほんと楽しい! 今シーズンは、2度オンライントークを開催し、そこで&事前の打ち合わせで、キャシーと五島さんに本当にものすごーーーーくたくさんのことを教えていただいたことで、アイスダンスの見方が変わりました。

長くフィギュアスケートを見てきているわけで、もうだいたいのことは知っている感じかと思い込んでいたのだけど(そんなことはないのだけどほんとは)、こんなに知らないことばかりのことがまだまだあって、アイスダンスへそしてフィギュアスケートへのモチベーションが高まった今シーズンです。

羽生選手の会見

そして、一夜明けなどのなかった羽生選手の会見(というか、一夜明けてきな意味合いのものですね)が、日本時間18:30よりスタート。
会場に入るのに2時間待ちとか、ものすごいことになっていましたね!

会見の全文はこちら

ワリエワの件

毎日ものすごーーーく報道されているワリエワの件。
2月14日には、ワリエワが女子のメダリストになった場合にはセレモニーなし、ということが決められ、世界中がまた揺れに揺れました。

2月15日(火)

女子SP

日本時間19時スタート。
ワリエワの件により、ワリエワが24位までに入った場合には、SP25位までの選手がFSに進める、ということになりました。

女子の放送をNHKで見ていたら、永井優香ちゃんが整氷などのたびに登場。とても上手な受け答えでした!

女子SPで印象深かったのは、まずマライアです!

そして、ルタイに何度も気を取られました。

樋口選手も、よかった。ほんっとうによかった!

最終滑走の坂本選手も、すばらしかった。ツイートにも書いているけれど、ワリエワ問題があったなかで、この日をこの気持ちのいい演技で終われたことを、本当に感謝しました。

いいお衣装をたくさん見られたのですが、1つ選べといわれたら、シェルバコワの黒、かな。

NHKは、チャンネルが頻繁に切り替わります。数分前からお知らせしてくれているしわかっているんだけど、演技中は集中しているので、ほんっとうにびくっと驚くし、できれば演技中は避けられると嬉しいなあ。

SP後の会見、ワリエワは欠席。

2月16日(水)

フィギュアスケート的にはお休みの1日。

コロナ陽性で男子SP前日に棄権することになったヴィンセントが、隔離終了!! エキシビがあるので、残って練習ですね。嬉しいニュースでした。

子どもが自宅療養終了、そして保育園に

そして2月16日は、我が家的には、保育園経由でコロナ陽性した5歳児が、やーーーーーっと保育園に行けるようになった記念日でした!
もう少し細かくいうと、5歳児は先週のうちに自宅療養期間を終えていたのだけど、濃厚接触者(陽性者との最後の接触から7日間外出できない)である私と夫が外に出られないため、ものすごく元気で保育園に通える5歳児を送迎できない……。
自治体のサポートとか使おうと思ったけど、使う前に説明会に行かないといけない。って行けないし。
ということでこの2週間以上の日々を、3人でじっとり自宅で過ごしました。

開会式の前から保育園を休むことになり、五輪期間中の観戦&仕事、どうなることかと思いました(かなりきつかった)。
5歳児もエネルギーがすごいので、外に出られなくてかわいそうだったし。
保育園ってありがたいですほんとに、と噛みしめています。

2月17日(木)

女子FS

河辺選手。17歳での出場は、女子フリーでは4番目に若い。世界選手権にも四大陸にも出ていない状態での五輪。よく頑張りました! 彼女は、今季ここまでを見ると、前の大会の課題を必ず克服してきていました。なので3月の世界選手権、きっと違うものを見せるんじゃないかなーと思っています。

今大会、団体戦でも個人戦でもエリシュカがすごくよくて、じんわりと感激。

今日もマライアは最高でした!

坂本選手、樋口選手も、すごくがんばっていました。一生懸命に、ほんっとうに自分の力全部を、これまれのキャリア全部を出す、という思い、気迫が感じられて。そして、2人とも、そういうのを出しましたね。よかったー。素晴らしかった。

坂本選手は銅メダル! おめでとう!!!
世界選手権でまだ台乗りしていない状況で、五輪でメダリストになるって、本当にすごいです。
今回の個人戦女子、SPとFSのPCSで10.00はたった1つ。坂本さんのパフォーマンスに1つ!!

トゥルソワの4回転5つどーんっていう演技と、シェルバコワの理知的でピークをぴったり合わせてきたスケートを見て、ロシア女子の強さを改めて感じました。

団体戦に出た女子が、きつそうだった

今回感じたのは、団体戦に出た女子選手が、きつそうだったこと。

個人戦のフリー進出者のうち、団体戦フリーに出た国の選手は、ワリエワ、カレン、樋口、坂本、シザスの5人。団体戦で滑ったのがSPかFSかは問いません。というのは、「団体戦は多分SPのみだね」と思って出場するのと、団体戦のメダルがかかっている選手とでは、団体戦への心身の向かい方が違うと思うので。
さらにワリエワ、カレン、シザスはSPとFSの2つ滑っていましたね。

この5人が、団体戦の時よりきつそうに見えました、私の目には。
ワリエワは別問題があるので何とも言えないのですが、結構ベテランというかシーズンの戦い方を熟知しているような3人(カレン、樋口、坂本)がそう見えたことで、団体戦はやっぱり最後にしたいですよねー的気持ちが私の中で再燃。

ワリエワの件

フリーを見終えて、そのキスクラでの様子も見て、気の毒だなと思いました。
とはいえ、実際に禁止薬物が彼女の体から検出されていることは間違いないわけです、五輪では出ていないとしても。

彼女が、4回転とかトリプルアクセルを跳べるようになったのは、もともとの身体能力などもあるとは思うけれど、練習をすごくしてきたから。練習しなきゃできないですよね。ていうか練習してもあんな風に跳ぶのはそんなに簡単なことではない。ものすごい練習をしてきたわけです。

それなのに、五輪のフリーという場で、こういうことになってしまった。気の毒だとは思うけれど、自業自得というか仕方のないことですよね、と思います。

フリーで転倒やミスを繰り返しながらも、3回転のあとのセカンドを決して2回転にしなかった。なんとしてでも3回転をつけようとしつづけた。そのワリエワの気持ちの強さを見て、こんな状況でもこの気持ちの強さを持っていられるような選手であること、本当に素晴らしいものを持っている人だということが際立ったように思います。

でも、だからこそ、ドーピング疑惑は、痛い。残念すぎる。それがたとえ本当に故意に体に入ってしまったのだとしても、ドーピング疑惑は、痛すぎる。

15歳で要保護者だから云々と言われていますが、そう、彼女は15歳。こんな風に世界に報道されてしまった彼女は、まだ15歳です。これからの人生、っていうか昨日の夜から続いている現在やこれからの日々のことが心配です。家族以外にも親身になってくれる人はいるのだろうか。北京で、帰路で、彼女は大丈夫なのだろうか……。

身体の健康が大前提、クリーンなスポーツを、優勝より大事なものがある……というのは正しいし、私も完全同意です。
ただ、「優勝とか勝つことが、圧倒的な最優先事項」という価値観のなかで過ごしていたら、いくら正しいことを言っても届かないんだろうなという、絶望的なむなしさのような息苦しいなにかを感じています。

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ライター 長谷川仁美です。 フィギュアスケートのこと、そのほかに日々のことなどを。 「やっぱり、フィギュアスケートっていいな」「やっぱり日常っていいな」という思いで、このサイトを続けています。