ミーシャ・ジー インタビュー(4)

もうひとつポーズ。

―この後のスケジュールをお聞かせください。

「日本のあと生き延びられたら(笑)、スペイン1週間、モスクワ1週間、ロサンゼルス1週間、トロント1週間、上海1週間、北京1週間、それからもっともっと、です」

―ものすごく多忙ですね。それぞれ、どんな目的で行くのでしょうか。

「スペインは、ISUの総会ですね。ウズベキスタンの代表として出席します。ちゃんとISUからインビテーションももらっていますよ。
その次、モスクワは、(タチアナ・)タラソワ先生が『こちらに来なさい』と言ってくれているので。何のためなのか知らないんだけど(笑)。
ロサンゼルスは振付け。それに、その後の移動のためにヴィザ手続きをいろいろとやらないと。
トロントでは、僕のトレーニングキャンプをします!(と、嬉しそう)。あるスケートリンクが招待してくれて、キッズスケーターを教えることになっています。ブライアン(・オーサー)が、彼の生徒を数人そのキャンプに参加させると言っています、ふふふ。
それから、上海は、サプライズ! まあ、振付けなんだけど、詳しくは内緒、サプライズで!
北京ではビジネスミーティングの予定です。もしかしたら何組かペアの振付けがあるかもしれないですね」

―世界選手権後からずっと多忙な日々を過ごしてこられましたが、今回Fantasy on Iceの幕張公演と金沢公演では、『You Go Your Way』をCHEMISTRYとコラボレーションしていましたね。あのプログラムも、自分で振付を?

「はい。僕は振付師でもあるからね。曲をできるかぎり理解するために、日本人の友達や知り合いにいろいろ聞いたり、歌詞を読んだり、そこからストーリーや意味、背景を知ったりしてから振付けに取りかかりました。昔はよかったけど、それぞれが自分の道を行くときがあり、それには痛みを伴う、という2人の話ですね、人生にはこういうことはあるんだけど。そんな、とてもエモーショナルな愛の思い出で、多分数年後もこの思い出がまだよみがえってしまうだろうけど、というもの。そうしたことを理解してイメージしてプログラムを作りました。

今回のコラボレーションがCHEMISTRYの曲だって知って、驚いたんです。10年くらい前、僕、ガンダムの大ファンで、ガンプラとかポスターとかDVDとか持っていたんですね。今回ユヅが滑っている曲(『Wings of Words』)は、『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』の、たしか、オープニングの曲だったんだよね。だからCHEMISTRYのことも好きだったから、今回のコラボレーションの話を聞いて、おおって思ったし、すごく感謝していています。

そう、昔はアニメが好きだったから、アニメの曲もよく聞いたんです。その後は(アニメより)漫画を読むようになって、バレエとか芸術を見るようになったけど。1999年頃にはポケモンが大好きで、ビデオで繰り返し見ていたんだよね。

―ご縁を感じますね。話は戻りますが、指導する立場としてはスタートラインに立ったところですが、トップ選手との仕事にプレッシャーを感じたりすることはありませんか?

「誰でもプレッシャーは感じるものだよね。もっといいものを、とか、新しいステージに行きたい、とか、そういうことを思うからプレッシャーを感じるんですよね。
プレッシャーは、自分を強くしてくれるものです。それに、いい日も悪い日もあるのが当然だから。僕はスケーターだから、練習というものが毎日毎日うまくいくわけではないことを知っていますし。

子どものころから、父と母という2人のコーチに指導を受けてきて、毎日たくさんのことを学んできました。新しく教えてもらったことも、学び続けていけば、それは新しいことではなくて、その人のものになるんですよね。

それに、知識の多くって、新しいものではないんです。なぜかわかる? 知識の多くは、教えてもらったことだから。僕の場合は、たくさんのメンターたちから教えてもらいました。両親、フランク・キャロル、アレクセイ・ミーシン、タチアナ・タラソワ、ブライアン・オーサーから、すごくいろんなことを学んできたから今の僕があるし、それを次の世代のスケーターたちに伝えていきたい。彼らには、すごく感謝しています」

以上、ミーシャ・ジーさんのインタビューでした。

ミーシャと初めてコンタクトを取ったのは、2011年の夏の終わりごろでした。
気づくとそれから7年近くの時間が経とうとしています。
その間、さまざまな大会で、街で、ミーシャにお話を聞いてきました。
ほっぺの赤いかわいらしい男の子から、しっかりとした青年になったミーシャですが、7年ほど前から変わらないなあと感じることもあります。
スケートが好きで、自分の目指すものに向かってさまざまに考えて、素晴らしい成果を見せるということ。
しかも年を追うごとに、スケート選手だけではないさまざまなことをやって、それらどれも全力で取り組んできたこと。
そんな姿に、何度も胸を熱くさせられてきました。
いろいろなことをスマートにさらっとやっているように見えるけれど、本当は睡眠時間を削ってやれることはやってやってやって、今のところにたどり着いたんだなあ、と。
そんな姿に、いつも刺激を受けています。
(刺激を受けているだけで、私は何もできていないんだけど・・・)
だから、これからのミーシャも、ものすごく楽しみです。
思いもしないようなことをいろいろ提示してくれるんじゃないかな、と、これからも彼のことを見つめていきたいと思っています。

▶ミーシャ・ジー インタビュー(1) ▶ミーシャ・ジー インタビュー(2)

▶ミーシャ・ジー インタビュー(3)

【過去のインタビュー】

▼ミーシャ・ジー選手インタビュー(2017年5月インタビュー)

▼フィギュア選手の「最後のシーズンかも」との言葉から(2017年2月インタビュー)

▼男子フィギュア、ミーシャ・ジー「変化のときが来た」(2014年3月インタビュー)

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●6月16日(土)13:00-14:30
「フィギュアスケートの楽しみ方
 ~ライターとして見てきたフィギュアスケート~」

私が初めてフィギュアスケーターにインタビューしたのは、2002年でした。
それから15年ほどの間、コーチ、振付師、関係者などにお話を聞いたり、試合やアイスショーの取材をしたりしてきました。
そんななかで、感銘を受けたシーンややりとり、忘れられないエピソードなど、ライターとして見たり感じたりしてきたことをお話します。

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●7月21日(土)13:00-14:30
「フィギュアスケートの楽しみ方
 ~あのスケーターやコーチたちの、あの頃~」

現在、コーチや振付師、コメンテーター、プロスケーターなどとして活躍している国内外の元選手たちの、現役時代の演技を振り返ります。
あわせて、どういう時代にどういう状況下でその演技を見せたのか、といった背景もご紹介することで、フィギュアスケートの体系的な知識を培う一助になればと思います。

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●8月4日(土)13:00-14:30
「フィギュアスケートの楽しみ方
 ~『白鳥の湖』を見比べる~」

ピョートル・チャイコフスキー作曲の『白鳥の湖』を使った様々なスケーターたちの演技に触れ、それぞれの表現の違いを見比べる1時間半です。
同じ曲でも、まったく違った作品になっているそれぞれを、編曲や振付け、そのスケーターの持ち味、衣装などから再び味わいます。

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●9月15日(土)13:00-14:30
「フィギュアスケートの楽しみ方
 ~2006年トリノオリンピックを堪能する~」

12年前の2006年トリノオリンピックを覚えていますか?
今のような採点方式になって初めてのオリンピックでしたが、とはいえ、6.0方式だった旧採点方式のテイストもまだ残っていたあの大会。
男女シングル、ペア、アイスダンスすべてを振り返り、忘れていたこと、初めて知ることなど、フィギュアスケート観戦の喜びに浸る時間をめざします。

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ご質問などありましたら、朝日カルチャーセンターや私のメールアドレスへお送りください。(hasegawahitomi.com/profile/

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