フィギュアスケート

北朝鮮のフィギュアスケート選手たち

平昌五輪に出場するということで、北朝鮮のペアのリョム・テオク&キム・ジュシクが頻繁に取り上げられていますが、彼ら、上手ですよね。先日の四大陸選手権でも3位だったし。(中国ペアは出ていなかったけれど)

テオクちゃんの凛とした意志のしっかりした感じの滑りが、とってもペア感を出していて、すごくいいなあ、と。

この2人、昨シーズンのアジア大会でも3位だったんですが、その記者会見で、(私にとって)印象的だったことがありました。

先に会見場に来て自分たちの席で静かに開会を待っていた2人に、最後に登場したハオ・ジャンが、「おお、久しぶり!」とも「よくやったね!」ともとれるいい笑顔で何かをつぶやき、テオクちゃんの肩をたたいてジュシクくんの脇(だったと思う)をひじでこづいた場面。フレンドリーでいい兄貴なハオ・ジャンらしい自然なふるまいも、それに対して嬉しそうににこっとしていた2人の様子も、いいなあ、と。

ペアの大先輩で、五輪でも世界選手権でもメダルを持っている有名選手のハオ・ジャンに気さくに声をかけられるなんて、若いペアには嬉しいだろうなあ。

お正月に二子玉川に行ったら、リンクがありました。整氷車も。

ちなみにハオ・ジャンは、中国のペアの選手(男性)。トリノ五輪銀メダリストで、平昌は5回目の五輪になります、すごすぎです!

あの会見のあのやりとり、ハオ・ジャンのいいところがすごく出ていたなあ・・・ってこれではハオ・ジャンの話になってしまいますが・・・ハオ・ジャンは、本当にいつでも同じようにフレンドリーで感じがよくて、すごく気持ちがいいです。

 

去年の世界選手権の帰り、ヘルシンキからミュンヘンへの便の隣が、ハオ・ジャンでした。

通路から来たハオ・ジャンは座っている私に気づくと、「ハイ、隣だね!」と笑顔で着席。「このまま中国に帰らないで、トロントのローリーのところに振付に行くんだ」「うちの子の写真見る?」などいろいろ話し、さらには私が眠っている間に来たパンをキープしておいてくれるという細やかな気遣いまでしてくれて、ありがたかったです。

それにもまして嬉しかったのは、ハオ・ジャンと、英語でだいたいのやり取りができるようになったことでした。2009年、ロサンゼルスでの世界選手権でのこと。ファンたちの前で行われたペアのメダルセレモニーで、ファンからの質問に「No Einglish」としか言えずに困った笑顔を浮かべていた彼が・・・と思うとなんだか感無量で。

 

と、話が逸れました。

 

北朝鮮のフィギュアスケート選手、これまでに何人か見てきましたが、みんなとてもレベルが高くて驚かされました。

2003年のアジア大会(青森)では、女子選手がとてもいいルッツを跳んでいました。ちょっとフィギュアスケートっぽくないというか、そんな感じの曲を使っていたけれど、それを凌駕するジャンプやスピードがありました。

2010年バンクーバー五輪に出場した男子のリ・ソンチョルも、その後ももっと見たいな、と思った選手でした。がっしりした体型で、五輪予選となった2009年ネーベルホルン杯のときのトリプルアクセルがとてもきれいで、いいなあ、と。

ネーベルホルン杯が開かれるオーバストドルフはぎゅっとコンパクトな街なので、試合の合間に街を歩いていると、いろんな選手や関係者とすれ違います。

ある時、ソンチョル選手とコーチのいるところに遭遇したので、「4回転は練習していますか?」と聞くと、コーチが「跳んでいます」というようなことを英語で返事してくれ、ああ、英語わかるのね、と思ったのを覚えています。まあ、国際大会に来ているんだから、英語がわかる人がいるにきまっているんだけど。

 

2016年の四大陸選手権のとき、テオク&ジョシクのコメントがほしくてミックスゾーンで待ったけれど、彼らはミックスに寄らずにバックヤードに行ってしまいました。だからまだ彼らがどんな感じの人たちなのかはわからないけれど、最近の報道での表情や雰囲気を見ると、とても元気でスケートが好きなんだな、っていう感じがします。昨夏は、モントリオールのブルーノ・マルコットのところで練習した、それも自分たちからお願いした、っていうのを聞くにつけ、いろいろ報道されると思うけれどそういったものに惑わされずに、自分たちの見せたい演技を披露できますようにと願うばかりです。

 

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ライター 長谷川仁美です。 フィギュアスケートのこと、そのほかに日々のことなどを。 「やっぱり、フィギュアスケートっていいな」「やっぱり日常っていいな」という思いで、このサイトを続けています。