フィギュアスケート

ペア観戦前に、知っておくと楽しいかもしれないこと(3)

もう整氷が終わってしまった・・。

第5グループです。

最終グループは間に合わないと思います。

今日中にアップします。

 

 

【第5グループ】

15番滑走

 ジェームス&シプレ(フランス)

 

2016年のシーズンオフに、「現状を打破しないと、ぼんやりと今のままの順位で安住してしまう」と、トップペアを教えられて、その時にライバルとなるようなペアを教えていないコーチ・・・と2人で探し、拠点をアメリカに、コーチをジョン・ジマーマンらに変えました。コーチを変えて1年目の昨季、一気にイメージを変えて、成績も残しました。その前までもずっと成績を上げてきていたのですが、昨シーズンヨーロッパ選手権で素晴らしいフリーを見せ、3位に。これが彼らの印象や評価をぐっと上げることになったと思います。

 

インタビューの際、お互いが自分にとってどんな存在かと問うと、シプレが「僕にとって今一番大切な人だよ」と。それを聞いていたジェームスが、涙をぬぐい始めました。「ごめんなさい、私、エモーショナルなタイプなの、と。今の言葉がすごくうれしくって」と。

そんなジェームスさん、婚約されていて、左薬指に大きな石のついた指輪をしたまま演技もします(今大会はどうなのか未確認です)。パートナーのシプレも「指輪、全然邪魔にならないよ、大丈夫」と。

 

彼らはこの五輪前、フリーを昨季の『Sound of Silence』に戻しました。本当にいいプログラムです。お楽しみに!

 

 

 

 

17番滑走

スイ&ハン(中国・ズイ&カン)

 

中国選手としてはとても珍しいのですが、2人とも英語で受け答えすることもあるペアです。

 

英語と言えば、スイさんは、2017年の世界選手権の記者会見で突然英語を話しだしました。それまで英語を口にしたことはなかったはずなので、いつから英語話せたのか尋ねると、「入院中に時間があるから、母にすすめられたのもあって勉強しました」とのこと。そう、スイさんは2016年の5月に両足の手術を受け、そのために入院生活を送っていたんですが、その間に勉強されたそうです。

その間、一人で練習して彼女の復帰を待っていてくれて、お見舞いに来てくれたパートナーのハンくんに、とても感謝しているそうです。ちなみに、手術後の経過などのために昨シーズン前半は試合に出られなかったのですが、世界選手権では優勝しました。

 

スイさんのお母さんですが、彼女が小さい頃はスケートを続けることに大反対。彼女は学業が優秀だったからだそうです。でも彼女はスケートを続けたい! と、止められてもリンクに通い続けて、お母さんも納得するしかなかった、とのこと。

 

対してハンくんの方ですが、反対の幼少時代を送ってきたようです。ある日幼稚園に人が来て、「今からローラースケートやるよ」と言われたのでローラースケートで遊んだところ、数日後にフィギュアスケート靴に履き替えて氷の上に立たせられ、現在に至ったと。小さい頃は練習がきつくてスケートをやめたくて、ある日アキレス腱が痛かったのでこれで辞められると嬉しく思った。けれど治ったらコーチから、戻って来いと言われて・・・ということも言っていました。

 

そんなハンくんですが、ジンリン・グアンコーチによると、「とにかくこのペアは、彼のがんばりがあったこと。ここに来るまでに、それが一番大きかった」とのこと。ペアの男性って大柄でないと無理だ、という思い込みを打ち破った人です。

 

ちなみに、ハンくんの現在の趣味のひとつは、ウクレレ演奏!

 

ジュニア時代は、とても今のような叙情的で大人なプログラムを演じ切るようなペアになるとは想像もしていませんでした。中国のペアって、シェン&ツァオもパン&トンもものすごく大きく変わりましたが、まさかスイ&ハンもそうなるとは! 本当に嬉しい驚きです。

 

いつも「付き合っているのか」的なことを問われ、スイさんが「付き合っていません。愛とかの表現は、プログラムの仲だけのことです(笑)」って言っています。それはほんとうなんだろうな、と。でもまあ、演技を見ればいろんなことを感じます。

ABOUT ME
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ライター 長谷川仁美です。 フィギュアスケートのこと、そのほかに日々のことなどを。 「やっぱり、フィギュアスケートっていいな」「やっぱり日常っていいな」という思いで、このサイトを続けています。