メドベージェワの、テストスケートのショートプログラムの映像を見ました。
今シーズン、世界中からもっとも注目されている数分間、のうちのひとつだったと言ってもいいと思います。
五輪銀ののち、長く師事したエテリコーチのもとからカナダのオーサーのところに移り、これまでとはイメージチェンジをめざしているという彼女が、拠点を移して初めて公に見せる演技、でした。
世界中が注目していることがわかっていて、しかもロシアのスケート関係者勢ぞろいのリンクで、しかもしかもリンクサイドの正面側にどーんどーんと陣取った強圧の彼らに凝視されて……ああ、なんて怖い状況でしょう。
私だったら立ちすくんでしまいます。
っていうか、もし私がスケーターだったら、もちろん滑らなきゃいけない状況だし滑るだろうけれど、がっちがちでミス続出すると思います。
世界の大きな大会でたくさん優勝してきて、ロシア国内で、練習グループでさまざまな思いを味わってきて、そして今ここにいる。
だからこそ、メドベージェワ(に限らないけど)はものすごく強い。
当たり前のことを、改めて、強烈に、感じました。
そしてもうひとつ。
そんな風に、スマホ画面のこっち側でびくびく見ていた私にとって、メドベージェワの演技後、正面でピンクのマフラーをした人が拍手してくれていたのが、とてもほっとさせてくれました。
タラソワ先生。
彼女があそこで拍手をすることで、いろいろな人たちのいろいろな気持ちが氷解したり温かく変化したりしたかもしれない、と思ったりしました。