フィギュアスケートを真剣に見始めて、20年以上の時間が経ちました。
そんな時間を過ごしてきたので、日本で出版されたフィギュアスケートの書籍は、過去のものから現在のものまで、ほぼすべて読んできました。
先日ツイッターでフィギュア本の紹介をしたところ、思いのほかたくさんの「いいね」や「もっと知りたい」という温かいお声をいただいたので、私がおもしろく読んだなかから、今、読んでおくといいかもしれないフィギュアスケート本をご紹介します。
ぜひご参考にしていただけましたらー。
(新刊での入手は難しい昔のものは除き、ここ10年くらいで発売された本に限りました。)
フィギュアスケートそのものを知る、学ぶ。(8冊)
『フィギュアスケート観戦ガイド』
2季前の本ですが「基本を詳しく」知りたい方には、今でもいいと思います。
小塚さんに監修(猛丁寧&真剣)いただいたこの本、すごく頑張って作りました。
とくに図解したり、表にしたりなどに力を入れているので、ご覧になる機会があったら、ぜひ。
アマゾンの評価が温かくて嬉しいです。
kindle unlimitedでも読めるのも、いい!
『男子シングル列伝』
1988年カルガリーから2018年平昌までの、各五輪の男子シングルについてよくわかる一冊です。
と同時に、五輪の間の4シーズンがどんな流れだったのか、どんな選手が活躍したのかも、細かい。
男子シングルについて、「俯瞰しつつ詳細もわかる」一冊です。
「これまで脈々と続いてきた歴史の流れがあったからこそ”今この瞬間”の目の前の選手はこういう演技をしているんだ(この演技にはこうした意味がある)」ということがわかると、フィギュアスケートを見るのがさらに楽しくなるし知的好奇心が満たされます。
フィギュアスケートの流れを知りたいと思った時には、まずは、平昌五輪シーズンから今シーズンまでの5季を知る。それから、その前を知る。というのが効果的だと思います。
『女子シングル列伝』
こちらは、その「女子シングル」版です。
写真も文字も十分で、女子シングルについて、満足できる一冊だと思います。
知らないこと、忘れてしまっていたことがあれこれ載っています。
五輪シーズンに、こういう本があると便利なんじゃないかと思います。手前味噌ですけれど……。
『ジャンプ 完全レッスン』
2020年1月に発売されていた本。
私も最近読んでみたのですが、フィギュアスケートの細部まで知りたい欲を満たしてくれます。
kindle unlimitedでも読めますね。
ジャンプを跳ぶための本だったりするのですが、エアで(っていうか部屋で)ジャンプを跳んだりしている私にとっても、大変に勉強になる本でした。
ジャンプやステップ、ターン、って自分でエアポジションをとってみると、いかに大変なものなのかわかるので、おススメです。
『スピン 完全レッスン』
さらに「スピン版」も、今年12月に発売されるようです。
まだ読んでいないのですが、中野友加里さんは、練習に練習に練習に練習を重ね、努力の先にあれだけのスピンを見せられるスケーターになったので、ものすごく楽しみな一冊です。
以前佐藤信夫先生にお話をうかがったときにも、友加里さんからも、小塚さんからも、「スピンは、練習すればするだけうまくなる」と聞きました。
この3人がおっしゃるのなら間違いない、と思います。
信夫先生によると、スピンはどんなに不器用な人でも練習すればした分うまくなるそうなのですが、ジャンプに比べて地味なものだし、目が回るし、やりすぎると気持ち悪くなるし、ということでスピンに力を入れきれない人も多いそう。
そう聞いてからは、スピンの上手なスケーターを見るたびに、「すごく地道な練習をこつこつと積み上げて積み上げてきた、忍耐と頑張りのある人なんだな」と思います。
今の現役選手だと、宮原知子さんが圧倒的なスピンを持っていると、私は思います。
『フィギュアスケート 氷の上で感じた世界』
小塚さんの雑誌連載をまとめた一冊です。
この連載を担当したのですが、インタビューが毎回ものすごくマニアックで楽しかったです。
たとえば「スケーティング」と一言でいうけれど、この言葉が指すものは2つある、とか、試合のときに選手が感じたり考えたりしていること、などなど、ディープなのにあっという間に読めてしまいます。
小塚さんのインタビューは、いつもいつもフィギュアスケートの知らなかった面をはっと気づかせてくれる時間です。
先日も久しぶりにインタビューさせていただいたのですが、たとえば先日のNHK杯で、同じ場所で同じものを見ていたはずなのに、全然着目点が違う。私には到底気づかなかったことばかりでした。
(このインタビュー掲載は、もう少し先なので、そのころお知らせします)
そんな、フィギュアスケートの視点、スケーター出身ではない私のような人の「知る喜び」を満たしてくれる一冊です。
『フィギュアスケート観戦の副読本』
2019年、さいたまの世界選手権開催時に出版され、会場でこの本を熟読されている方を何人も見ました(そして、感激しました、ありがとうございます!)
2018-19シーズン用の内容部分もあるのですが、P73~の「世界のフィギュアスケート事情」は、いつ読んでもおもしろい。ふむふむと、熟読してしまいます。
『Professionals フィギュアスケートを支える人々』
こちらも、コア目なファンの方々にご支持いただいています。
靴やエッジ修理、音楽・プログラム編集、トレーナー、ブレード開発、スケート衣裳製作、実況アナウンス、テクニカルスペシャリスト、大会通訳、メイクサポート、アイスダンス強化・普及、アイスショー演出、エージェント、マッサージセラピスト、アイスコープ、舞台照明、リンク運営管理、衣裳デザインといった、フィギュアスケートを支える人たちのお話は、本当におもしろい。夢中で読んでしまいます。
観客からはあまり見えないところで、フィギュアスケートを支えていらっしゃる方々の、熱と懸命さは、本当に胸打たれます。
スケートファンであることを、とことん楽しむ。(5冊)
『フィギュアの時間です☆』
本当におもしろい。
フィギュアスケートを本気で好きで見ていると、あるあるこういうこと、という出来事や思い。
大好きな本です。
『フィギュアの季節です☆』
『フィギュアの時間です☆』の続編で、こちらもまたおもしろい。
一気に最後まで読んでしまいます。
『スケオタデイズ 戦慄のフィギュア底なし沼』/『スケオタデイズ 飛び出せ!海外遠征編』
グレゴリ青山さんの、スケートへの愛と称賛のこもった、楽しくもどこか胸が熱くなるエッセイマンガ。
2冊とも、同じく大変におもしろいです。
『英語・ロシア語・中国語で応援する フィギュアスケート好きのためのフレーズ&単語帳』
こういう本は思いつかなかった―と、まず企画に驚きました。
実際に読んでみると、英語、ロシア語、中国語での表現、というもの以上に、読み物としておもしろかったです。
著者はきっとスケートがすごーく好きなんだろうなあ、ということが気持ちよく伝わってきます。
私がかかわった本がいくつか入っていますが、実際にご紹介した本を本当に好きだから、素直にこのラインナップに入れることにしました。
次回は、自伝とかスケーター本人側からのフィギュアスケート本をご紹介します。
ではでは~。