GPシリーズも5戦を終えました。
そんな秋の日々に思うのは、突然接することになる「引退」の気配のこと。
目次
ポンサールのFacebookから。
GP5戦目のフランス杯前、いつものようになんとなくフェイスブックを流し見していたところ、ポンサールの投稿に目が留まりました。
「Last GP of my skating career!!
引用:https://www.facebook.com/1269391713/videos/328815281912907/
Let’s have fun!!! #IDF2021 #4t」
という文章と、フランス杯での練習動画。
そうか、ポンサールは今季を最後と、すでに決めているのね、と、フランス杯では、ポンサールの演技をしっかり見ました。
話は逸れますが、ポンサールもマライアも同じフランス杯ね、よかったねと思っていたら、あららら……お別れしてしまっていたんですね。過去にものすごく熱いインタビューを読んだので、もう離れられない2人なのかと思い込んでいました。いろいろありますよね。
ハベル&ダナヒューのフリー『Drowing』
さて、今シーズンは五輪のある、フィギュアスケートのサイクル的に大きなシーズン。よって、今季を最後に引退を、と事前に決めている人も少なくないだろう、そんなシーズンです。
スケアメ開催中、ハベル&ダナヒューから、「これが私たちにとって最後のスケアメなので」的なコメントがありました。
私は、この記事で2人の今季引退を知りました。
そうか、今シーズンを区切りにするんですねと思い、スケアメでは彼らの演技をいつもよりしっかり見ることができました。
引退って、怪我などで突如余儀なく決断されることもあります。
また、選手の心の中で「今季までかも……状況を見ながら」という思いでシーズンを過ごしているうちに固まっていくこともあります。自然な流れですよね。
とはいえ、ポンサールやハベ&ダナのような事前告知は、私たちも心の準備ができるので、ありがたいなとどこかで思ったり。
さて、そうやってしっかりと見たハベ&ダナの今季フリー、大変に素敵ですね。
この2人ってこんなに素敵だったのねと思うくらい、よかった。
曲のムードと「今季がラスト」というどこかセンチメンタルになってしまう部分とが(私の中で)相乗しています。
フリー『Drowing』の歌詞は、こちらで読むことができます。
ハベ&ダナの2人は曲全部を使っているわけではなく、「アーアーアーーー」という切なげなヴォーカルパート(多め)でスタートし、そこから「Drowing」の途中の
Feet off the ground
You have stolen my heart away
Your love I found
And I, silently healing
そして、プログラム最後に
It shines inside my heart…と「Drowing」の最後のパートが使われています。
引用:「Drowing」 Anne Sila(https://genius.com/Anne-sila-drowning-lyrics)
ナム・ニュエンのフリー『Mi mancherai』 (君がいないと)
GP3戦目のNHK杯では、ナム・ニュエンが、現役は今季までだと公表しました。
今季引退ということを知ってからNHK杯のフリーをご覧になった方は、ジョシュ・グローバンの歌声と、曲の持つ切なさとともに滑る彼の演技に、胸いっぱいになったかもしれません。私も、「ナムくんも引退の時期になったのね」と思いながらフリーを見てしんみりとした思いに。
ナムくんというと、『フィギュアスケートDays Vol.17』で、羽生選手、フェルナンデスと3人で、クリケットチーム鼎談をしたことを思い出します。
該当ページを開いたところ、2013年7月5日にインタビューしたようです。もう8年4か月前ですか……。
ナム15歳、羽生18歳、フェルナンデス22歳のときですね。
インタビュー、とてもよく覚えています。ナムくんがとても元気でいたずらっ子な感じで。
ちなみに、この鼎談の次のページは、キャンデロロと町田樹さん、佐々木彰生さんの鼎談。なつかしー!
さて、ナムくんの今季のフリーですが、『Mi mancherai』という曲です。映画『イル・ポスティーノ』の曲で、日本語訳では『君がいないと』。過去に何人か、この曲を使っているので、聞いたことのある方も多いと思います。
『Mi mancherai』の歌詞はこちらで読むことができます。 『Mi mancherai』
ナムくんが使用している部分は、こちら。
Mi mancherai se te ne vai
Ora per sempre non so come vivrei
E l’allegria, amica mia
Va via con te
(君がいなくなると僕はさびしい
これからずっとどうやって生きていけばいいのか
喜びは 友人よ
君とともに去る)Mi mancherai, mi mancherai
Perché vai via?
Perché l’amore in te sé spento
Perché, perché?
Non cambierà niente lo so e dentro sento te
(さびしいよ どうして行ってしまうの
君の愛が消えたから?
なぜ、なぜ?
何も変わっていないとわかっている
僕は自分の中に君を感じる)Mi mancherà l’immensita
Dei nostri giorni e notti insieme noi
I tuoi sorrisi quando si fa buio
La tua ingenuita da bambina tu
(永遠に失った
僕たちの昼も夜もともに
暗がりの中の君のほほえみ
少女のような君の純真さ)Mi mancherai amore mio
引用:『Mi mancherai』(https://flowlez.com/ja/songs/mi-mancherai-il-postino-27096/)
Mi guardo e trovo un vuoto dentro me
(僕はさびしい 愛する人
僕の中には何もない)
「選手の思い=歌詞の意味そのまま」というケースは多くはないと思いますが、曲の持つ雰囲気とかトーン、歌手の思いなど、総合して生まれる空気感のようなもの、さらに自分の思い出などから、選手たちは、引退シーズンのフリーを選曲するのではないでしょうか。
そうやって選んだ引退シーズンのフリーの歌詞には、もしかしたら選手たちが託した一節があるかもしれない。
そんな思いで、毎シーズンいくつかの曲の歌詞を調べたりします。
坂本選手のフリーのセリフ部分
さて、今季引退の選手ではないのですが、今季の坂本花織選手のフリーの冒頭と最後のセリフ部分が聞き取りきれなくて、何度もリピートしています。
冒頭、コツコツコツという靴音のあとは「I love being a woman.」というセリフからスタート。
いくつかのフレーズ(これが聞き取れない)を言った後、曲が始まります。
そしてプログラム最終盤に、「I am strong. strong heart, strong soul, strong right (聞き取れない) I am a woman.」って言っている感じでしょうか。
どちらもだいたいニュアンス的にはわかるのですが、もし英語の詳細がおわかりになる方いらっしゃったら、ぜひ教えてください。
フリーで2曲使っていますが、私が知りたい方に多分近いのが『No More Fight Left In Me』(1曲目のほう)。歌はImanyさん。共感せずにはいられない歌詞です。
■追記 坂本選手のフリーの冒頭部分のセリフ
坂本選手の『Woman』のセリフが聞き取れない、と上に書いたところ、すぐにツイッターでご連絡をくださった方が! ありがとうございます。
冒頭部部は、映画『Woman』に出てくる女性のインタビューの内容だそうです。
うち、坂本選手のプログラムで使われているのは、
I love being a woman.
映画『Woman』 より
I love the tenderness … the sensitivity. the uniqueness, what really means
との部分。そして歌が始まります。
中盤や後半のセリフ部分では「strong」とか「calm」とか聞こえるのですが、こちらは出典元がわかりません。もし出典元、セリフの全貌をご存知の方がいらっしゃいましたら、ぜひ教えていただけると嬉しいです。